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「夢中」は学びにつながる 気になるが「夢中に変わる」

「うちの子、好きなことばかりして全然集中できない」「声をかけないと外で永遠と遊んでいる」
「遊びに夢中で、勉強のやる気が出ない」「もうおもちゃばかり増えてる」「Youtubeが大好きすぎて。。。」

そんな声を、保護者の方からよく聞きます。
もちろん、おもちゃで部屋が散らかったり、なかなか次への行動ができなかったり、止めると癇癪を起したりするなどの
親の大変さはありますよね。すごく分かります。


でも実は、この“夢中になる時間”こそが、子どもの未来を大きく育てていると言われています。
心理学や脳科学では、そんな研究結果が数多く報告されているのです。

アメリカの心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した「フロー理論」では、人は「夢中になっている状態(=フロー)」にあるとき、集中力・創造力・記憶力が最大化することが分かっています。
これは子どもにも当てはまり、何かに没頭しているとき、脳は“報酬系”と呼ばれる神経回路が活性化し、ドーパミン(やる気ホルモン)が分泌されます。

ドーパミンは「もっとやってみたい」「次はこうしてみよう」といった探究心や意欲の源になります。
つまり、“夢中”は単なる遊び時間ではなく、脳が最も伸びている時間なのです。

「好き」が“非認知能力”を育てる

近年注目されている「非認知能力」(やり抜く力・好奇心・コミュニケーション能力など)は、学力以上に人生を切り拓く力とされています。
そして、それを育てる最も自然な方法こそが、子どもが自分の「好き」に没頭する経験です。

夢中で何かに取り組む中で、子どもは次のような力を育てています。

  • 集中力・持続力:「もっとやりたい」という内発的動機が努力を支える
  • 創造性・思考力:「こうしたらどうなるかな?」という試行錯誤が思考を深める
  • 自己効力感:「自分にもできた」という成功体験が自信になる

さらに教育経済学者ジェームズ・ヘックマンらの研究では、幼少期から非認知能力を伸ばした子どもほど、成人後の幸福度・人間関係・職業的成功が高いことが示されています。
つまり、「好き」を通して培われた力は、単なる“性格”ではなく、将来を自分らしく生き抜くための土台=生きる力へとつながっていくのです。

「好き」を伸ばした先にある未来 さかなクン

“魚”が大好きで毎日図鑑を読み漁っていた少年、「さかなクン」。
彼のお母さんは、担任に勉強するよう注意されても、彼の興味を止めることはせず、図鑑や水族館、魚の絵など、好きの芽を大切に見守りました。その“夢中”はやがて専門家としての道につながり、今では多くの人に魚の魅力を伝える存在となっています。

もちろん親として「それだけでいいの?大丈夫なの?」と心配になる気持ちもありますよね。
ですが、さかなクンのお母さんのようにできなくても、どこかで好きを楽しむ時間をつくってあげる、見守る時間を意識するだけで子どもも夢中になれ、母親の気持ちも少し余裕ができるかもしれません。
子どもの「好き」は、その子の個性でもあり、やがて“生きる力”そのものになると受け止め大事にしてあげたいです。

なんですが、

おもちゃの種類や、さかなクンのように好きな図鑑をずっと見ていたら、我が子が何が好きなのかも分かりやすいですが、
動画をただ見ている、ゲームをしているでは、分かりづらいですよね。そんな時は、子どもに質問してみてください。
「この動画・ゲームのどこが好き?気になる?おもしろいと思う?」など子どもがどこにひかれているのかを聴いてみて下さい。そこから、他の方法でもその好きや興味があることを楽しめる提案をしていくと、動画から与えられる情報を受け身の状態で取り込む姿から、自分でも試してみたい、行ってみたい、作ってみたいと自ら能動的に行動を起こす姿に変わるかもしれません。
大人の経験値や知識を活かして、子どもの視野が広がる方法を伝えてみてくださいね。

親ができるのは、“応援する環境”をつくること

大切なのは、「好きなことに没頭している我が子」を“ただの遊び”と見なさず、大切な成長のプロセスとして尊重してあげることです。

  • 興味を持っていることに耳を傾ける
  • 結果ではなく「楽しそうだね」「工夫してるね」と過程を認める言葉をかける
  • 「もっとやってみたい」という気持ちを止めず、安心して試せる環境を用意する

それだけで、子どもの「夢中」はさらに深まり、未来へのエネルギーへと変わっていきます。

最後に

“夢中になる”というのは、子どもにとって本能的な成長のサインです。
それは、まだ見ぬ未来へとつながる原動力であり、自分の力で世界を切り拓いていく最初の一歩でもあります。

子どもが目を輝かせている瞬間は、何かを「伸ばそう」としなくても、すでに伸びている時間です。
その瞬間を大切に見守ることができたら大人も子どもも幸せですよね。

※動画やゲームについて
夢中とはいえ、受動的に動画を長時間ひたすら見ていることは、脳や心の成長によくありません。
幼児期〜小学生のうちは、まだ自己コントロールの力が未発達なため、大人が視聴内容やプレイ時間を適切に管理することが必要です。親子でルールを一緒に考えることが大切です。

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