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子どもの外遊びが心と脳を育てる理由

子どもの外遊びの時間が減っている

ゲームや習い事、忙しい生活の中で、子どもが自由に外で遊ぶ時間は少なくなっています。さらに近年では、夏の猛暑も大きな要因になっています。気温が高く熱中症の危険があるため、外に出る機会が制限され、自然と遊び時間が短くなってしまうのです。

けれども、教育学者の汐見稔幸先生は「遊びこそが子どもの学びの原点」と語っています。外遊びは、子どもの心や脳、社会性を育てる大切な経験なのです。

脳を育てる「予測できない体験」

外遊びでは、何が起こるか分かりません。木登りでどこに手をかけるか、鬼ごっこでどう逃げるか…。その都度、子どもは考え、判断し、工夫します。脳科学の研究によると、こうした経験は「前頭前野」を鍛え、思考力や判断力の基礎を育てるといわれています。

また、外には風の音、草の匂い、土や砂の感触など、多様な刺激があります。五感をフルに使うことで脳の感覚統合が発達し、集中力や学習力の土台につながります。

私は昆虫が大好きなので、子どもよりも夢中になって虫を探し捕まえています。
この生き物達との触れ合いも、予想できない反応や五感を使い子ども達の好奇心や思いやる心を広げていきます。

自己肯定感を高める成功と失敗

外遊びは「できた!」という達成感をたくさん与えてくれます。はじめて高い遊具に登れたとき、友達と協力して秘密基地を作ったとき…小さな成功体験が「自分にはできる」という自己肯定感を育てます。

一方で、転んだり失敗したりすることも多いのが外遊びです。そのたびに立ち上がり、工夫して挑戦を続けることで「失敗しても大丈夫」というしなやかな心も育ちます。

遊び合いが社会性を育てる

鬼ごっこやかくれんぼをするとき、子どもたちはルールを守ったり、順番を待ったり、ときには話し合って解決したりします。こうしたやりとりは、将来必要な協調性やコミュニケーション力を自然に学ぶ機会になります。心理学の研究でも、自由遊びが多い子ほど「共感する力」が高くなることが分かっています。

発達特性のある子どもと外遊び

一方で、発達に特性のある子どもを育てる保護者の中には「周りに迷惑をかけてしまうのでは」と不安を抱え、公園に行きづらいと感じる方も少なくありません。ですが、外遊びは時間や場所に決まりがあるものではありません。

あるADHDのお子さんを持つお母さんはこう話していました。
「息子が興奮して走り回ると、周りの子にぶつかってしまう。そのたびに保護者の冷たい視線を感じて、私自身もつらかったんです。そこで思い切って、朝6時に公園へ行くようにしました。人の少ない時間に思いっきり遊ばせると、子どもも私も気持ちが軽くなり、生活リズムもよくなっていきました。」

周りの目が気になるなら、早朝や夕方、夜でも構いません。夏の暑い時期も、気温が落ち着く時間帯を選べば安全です。大事なのは、子どもと保護者が安心して遊べる環境と時間を見つけること。わざわざ不安になる時間に合わせる必要はないのです。安全に配慮さえすれば、いつでもどこでも外遊びはできます。

大人ができること

子どもが外で遊ぶとき、親ができるのは「危ないからやめなさい」と制限することではなく、挑戦を応援し、気持ちに寄り添うことです。

  • 失敗して泣いたら「悔しかったね」と共感する
  • 成功したら「できたね!」と一緒に喜ぶ
  • 時には一緒に走り回って遊ぶ

その安心感があるからこそ、子どもはのびのびと挑戦し、遊びを深めていけるのです。

おわりに

外遊びは、ただの息抜きではありません。脳と心、そして社会性を育てる大切な学びの時間です。汐見稔幸先生が言うように「遊びは子どもの生活そのもの」。自然の中で夢中になって遊ぶ時間こそが、子どもたちの「生きる力」を育てていくのです。

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